インターンシップ 2020年2月

2020,2,17~2.21

 
IMG_3579ret.jpg
 

  

 3年生の春休み、神戸の大学から地元島根の企業に5daysのインターンシップに参加させて頂きました。

 私が株式会社エブリプランへのインターンシップに来たのは、「何か地域のためになる仕事がしたい」と思っていたからです。そして島根の企業情報雑誌から見つけ、企業理念、また、“WORK”に興味を持ちインターンへの応募を決めました。

 実際にインターンシップでは、朝礼から、ブランディングの協議、産直市の営業販売戦略会議、邑南町の観光ビジョンについてのお話しなどに参加し、最後には自分のインターンシップ成果発表を行いました。

 朝礼では最後にハイタッチをして終わり、そして仕事を始めるというのに驚きました。また、月曜にはラジオ体操をするなど、雰囲気のいい、仕事のしやすい環境づくりに力を入れているように感じました。また、ブランディングの協議でも、会社としてのブランド力の向上のためにと様々な立場の人が集まっており、会社の協議の雰囲気や、また外への発信の重要性を感じました。

 3日目には、産直市の販売戦略会議への参加のために江津市へ行きました。江津の産直市の集客のため、また生産者・消費者の満足のためへの工夫などを考えていて、普段の生活でも何を重点販売項目としているのか。ということなどんも目を向けてみようと思いました。

  邑南町の観光ビジョンについてのお話しでは、ちょっととがったテーマに新しい観光ビジョンですごく興味を持ちました。ちょっとした提案にも賛同して下さって嬉しかったです。この邑南町の事例は、私自身の卒業論文にも活かしていきたいと考えています。

  インターンシップに参加して、エブリプランの方々は熱い思いを持って、自分たちの会社を良くしたいという思いや、またその地域のために何ができるのかということを色々考えて行動しているという事が分かりました。地方は少子高齢化人口減少社会の最先端であるからこそ、この仕事は取り組み甲斐があり、今後の日本のモデルにもなり得る可能性を持っているという事を感じました。

 5日間素敵なオフィスで、皆さん優しくて、楽しくインターンに参加することが出来ました。また、知らないことだらけだったため、インターン後も自分の知識を増やしスキルアップしたいと思います。

 
IMG_3593ret.jpg
 

世界遺産石見銀山への玄関口を演出

島根県大田市仁摩道の駅(仮称)整備事業

●「道の駅とは」

 「道の駅」は道路利用者のための“休憩施設”、道路利用者と地域の方々のための“情報発信機能”、活力ある地域づくりのための“地域連携機能”を併せ持つ施設として各地に整備されています。加えて近年は、地域の個性や魅力を活かした“地域の拠点機能”を重視し、「道の駅」自体が目的地となることが期待されています。 

仁摩道の駅(仮称)整備事業の概要

●整備の目的

 平成27年に「仁摩・温泉津道路」が開通しました。その一方で、無料区間である本線上には、サービスエリアやパーキングエリアは設置されないので、その代替施設として、道の駅の整備が必要となります。

 また、山陰道が全線開通すれば、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」へのアクセス道路として、より広範囲の地域からの誘客が可能となり、加えて国立公園三瓶山・温泉津・琴ヶ浜をはじめとする自然・温泉など地域の魅力を活かして交流人口を一層拡大する機会となります。

そこで、山陰道をはじめとした道路利用者のための休憩機能や情報発信機能を有するとともに、地方創生に向けて、農林水産業を中心とした地域の特性を活かし、活性化を図るための地域連携機能を併せ持つ新たな拠点施設として、仁摩道の駅(仮称)を整備することになりました。

●計画のコンセプト

 山陰道の利用者・観光客を主なターゲットとしながら、地元の人にも愛され、そして「おもてなし」の心で来客者を迎えることで、多くの人が訪れたくなる道の駅を整備するための重点的に取り組むコンセプトを次のように設定しまし。

①世界遺産石見銀山遺跡への東西ラインからの玄関口(ゲートウェイ)としての拠点施設機能

②地域の魅力を伝え、観光による交流人口の拡大を推進できるような情報発信機能

③地域資源を活用し、新しい地域の魅力を創造できる産業振興機能

④山陰道をはじめとした道路利用者の安心安全な通行を促すとともに、居心地の良い空間で訪れる人をもてなす休憩機能や市民や来訪者が集う交流機能

●計画地の選定

 仁摩・石見銀山インターチェンジの周辺半径1㎞以内を目安に、次の3つを候補地と想定した。

①インターチェンジ出口付近

②市役所仁摩支所付近  

③国道9号沿い仁万駅付近

 3候補地より、前述の計画コンセプト、山陰道の利用者の利便性、利用者の進入の容易さやアピール性から①インターチェンジ出口付近が適地とし、更にインターチェンジ出口の正面を候補地としました。

 
図面.png
 

我々エブリプランは、仁摩道の駅(仮称)整備に向けて、「適地選定検討」、「整備計画の策定」、「道の駅整備に関する検討委員会運営支援やワークショップ運営支援」等の計画推進に関するところから、「造成基本設計」、「開発許可申請支援」等の設計業務と各段階で携わってきました。

 現在は造成設計や建築設計が進み、いよいよ本格的な造成工事が始まる段階となりました。

 これまで様々な場面で携わってきたものが、実物として完成することへの楽しみを感じるとともに、今後の大田市の発展に寄与する施設となることを期待しています。

 
イメージ図_共想の詩用_1804112.jpg
 
 
2.jpg
 

『地域に眠る貴重な医療情報資源を活用して社会的課題の解決を目指します。』

1.fMRIによる脳内の活動部位の可視化

 MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像法)は、磁気を用いて人間の体内を画像として可視化する技術です。磁石によって作られた磁場を利用するため、人体への影響はほぼないと考えられており、侵襲性の非常に低い検査方法の1つです。水素原子核を磁化させることにより水分を含む体内の部位を可視化させることができるため、水分量が多い血管や脳の診断に用いられています。

 一方、fMRI(Functional MRI:機能的MRI)は、水素原子核ではなく、酸素を運搬した後のヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)を磁化して検出します。血液の動きを画像化するため、脳の中の活動部位(血液を必要とする部位)を検知することができます。これにより、特定の刺激を与えた際に脳のどの部分が活性化しているのか、どの部分とどの部分が特定の活動に際して利用されているかといった脳内の機能的結合の研究に用いられています。

2.デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の発見

 ワシントン大学のマーカス・レイクル教授らは、fMRIを用いた研究により、何もしていない状態においても活発に活動する脳の部位が複数あることを発見して、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN:Default Mode Network)と名付けました。通常、DMNには内側前頭前野、後部帯状回/楔前部、下部頭頂葉、外側側頭葉、海馬体などが含まれます。DMNの存在意義については研究者により様々な見解があげられていますが、明確にはなっていません。DMNの解析の際は、課題や刺激を与えず安静状態でfMRIを計測する安静時fMRI(rsfMRI:Resting-state fMRI)という手法が用いられます。

 
デフォルトモードネットワーク:何もしていない状態においても活発に活動する脳の部位(図で色付けされている部分)小野田慶一講師(島根大学医学部)論文より http://online.liebertpub.com/doi/pdfplus/10.1089/brain.2017.0507

デフォルトモードネットワーク:何もしていない状態においても活発に活動する脳の部位(図で色付けされている部分)

小野田慶一講師(島根大学医学部)論文より
http://online.liebertpub.com/doi/pdfplus/10.1089/brain.2017.0507

 

3.認知症の早期発見への利用

 DMNを構成する脳領域は、記憶や認知機能をつかさどる領域と重複しています。DMNの研究が進むにつれ、アルツハイマー病患者で顕著な萎縮が見られる脳領域は、DMNを構成する主要な脳領域と重なっていることが分かりました。また、軽度認知障害の状態においてもDMNに異常が生じることが分かっており、rsfMRIにより認知症が早期に発見できることが期待されています。

 
20200902163657-0002.jpg
 

4.島根大学での認知症研究

全国でも高齢化が急速に進んでいる島根県では、公益財団法人ヘルスサイエンスセンター島根(元 財団法人島根難病研究所)において、1988年に脳ドック健診を開始し、rsfMRI を含むMRI 検査、神経心理検査、ラボデータ、既往歴などの健康情報がセットになったデータが多数蓄積されています。

国立大学法人島根大学医学部内科学講座内科学第三では、上記の医学的利用価値の高い国内でも類を見ない貴重なデータに着目し、山口先生、小野田先生らによりrsfMRIを用いた認知症の早期診断法の確立に向けて研究が行われて来ました。

 
20200902163657-0001.jpg
 

5.地域の医療情報資源の有効活用

 エブリプランは、地域の課題解決の支援をするコンサルティング業務を20年以上にわたり提供しており、島根大学医学部との共同研究により、世界初の早期認知症の検出手法の開発を新規事業として進めています。認知症は、早期発見できれば改善プログラムの実施や投薬などにより、発症の抑制や進行の遅延も期待できます。

 我々の取り組みは、世界的に高齢化が進行している昨今において、医療費の削減と健康寿命の延伸といった社会的課題解決に役立つものであり、地元島根に存在する貴重な医療情報資源を活用した我々にしかできない独創性の高い取り組みであると認識しています。

 今後は、島根大学医学部の所有するrsfMRIデータを人工知能に学習させることにより、早期認知症のMRI画像診断サービスの早期事業化を目指し、島根発の先端技術を世の中に広めたいと考えています。

 
MRI撮影装置:財団法人ヘルスサイエンスセンター島根が所有する Ingenia 3.0T digital MRI(オランダPhilips 社製)

MRI撮影装置:財団法人ヘルスサイエンスセンター島根が所有する
Ingenia 3.0T digital MRI(オランダPhilips 社製)